「Shopifyは月額数千円から始められる」——よく聞く話ですし、間違いではありません。ただ、実際にストアの運用が始まると「思ったよりお金がかかる」と感じる方が多いのではないでしょうか。アプリ代、決済手数料、そして意外と見落とされがちな「運用する人の人件費」。毎月結局いくらかかるのかが見えないと、社内への説明も予算取りもできません。
まず結論から言うと、Shopify運用の費用は「①Shopify本体の費用」「②運用の人的コスト(自社または外注)」「③スポットの改修・対応費」の3層で考えると全体像が見通せます。そして一番金額が大きく、一番見落とされやすいのが②の人的コストです。この記事では、20サイト以上のShopify運用保守を手がけるコマースラボが、費用の内訳から自社運用と外注の比較、費用を抑える方法まで、実務ベースでまとめて解説します。
本記事の内容
Shopify運用にかかる費用の内訳と自社運用vs外注の比較
1.運用費用は「3層」で考える(早見表)
2.Shopify本体にかかる費用(プラン・アプリ・手数料)
3.自社運用した場合の費用(工数と人件費換算)
4.外注した場合の費用(保守契約の相場と料金体系)
5.自社運用vs外注の費用シミュレーション比較
6.どちらを選ぶべきかの判断基準
7.運用費用を抑える3つの方法
まず結論: Shopify運用の費用は「3層」で考える
運用費用の話が分かりにくいのは、性質の違う費用が「運用費」のひと言に混ざっているからです。次の3層に分けると、自社の毎月のコストが整理できます。
| 層 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| ① Shopify本体の費用 | プラン月額・アプリ利用料・決済手数料 | 月額数千円〜数万円+売上連動の手数料 |
| ② 運用の人的コスト | 自社担当者の人件費、または外注の保守・サポート費 | 自社: 工数×時給で算出/外注: 月額数万円規模が中心 |
| ③ スポット費用 | 機能追加・デザイン改修・トラブル対応 | 発生ベース(内容により変動) |
多くの記事は①のプラン料金で話が終わりますが、実際の主役は②です。受注確認・ページ更新・トラブル対応にかかる時間は、自社でやれば人件費、外注すれば保守費用として必ず計上されます。この記事では見落とされがちな②を中心に、3層を順番に見ていきます。
この章のまとめ:運用費用は「本体費用・人的コスト・スポット費用」の3層で整理。金額が大きく見落とされやすいのは人的コストです。
Shopify本体にかかる費用(プラン料金・アプリ・決済手数料)
まず1層目、Shopifyというサービス自体にかかる費用です。ここは他の解説記事も多い部分なので、要点だけ押さえます。
月額プラン料金
Shopifyの主要プランの料金は次のとおりです(出典: Shopify公式料金ページ・2026年7月時点)。
| プラン | 月払い | 年払い(月あたり) |
|---|---|---|
| ベーシック | 4,850円/月 | 3,650円/月 |
| グロー | 13,500円/月 | 10,100円/月 |
| アドバンス | 58,500円/月 | 44,000円/月 |
※ 料金は改定や為替の影響で変わることがあります。契約前に必ず公式サイトで最新価格をご確認ください。
アプリ費用は「本数×単価」で膨らむ
Shopifyは足りない機能をアプリで追加していく設計のため、運用が進むほどアプリ費用が積み上がりやすい構造です。無料アプリもありますが、レビュー・定期購入・配送関連など有料アプリを入れていくと月数千円〜数万円になるのが実際のところ。1本あたりは小さくても、積み重なると固定費として効いてきます。対策は後半の「費用を抑える方法」で解説します。
決済手数料は売上に連動する
オンラインのクレジットカード決済手数料は、ベーシック3.55%・グロー3.4%・アドバンス3.25%です(出典: Shopify公式料金ページ・2026年7月時点)。固定費ではなく売上連動で、月商100万円なら3万円台の手数料がかかる計算です。売上計画とセットで見ておきましょう。
なお、開店前の構築段階にかかる費用は別記事で詳しく解説しています。相場感はShopify構築費用の相場をご覧ください。
この章のまとめ:本体費用は「プラン料金+アプリ代+売上連動の手数料」。プラン料金は改定があるため公式サイトで最新を確認するのが確実です。
自社運用した場合の費用 — 「無料」ではなく人件費がかかる
ここからが本題の2層目です。「自社でやれば運用費はタダ」——正直に言うと、これが一番危ない思い込みです。担当者の時間は人件費そのもの。まず、運用で実際に発生する作業を見てみましょう。
運用で毎月発生する業務
コマースラボが20サイト以上の運用保守で実際に対応している業務をもとに、代表的なタスクを頻度別に整理しました。
| 頻度 | 代表的な業務 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 日次 | 受注・入金の確認、問い合わせ対応、在庫チェック | 15〜30分/日 |
| 週次 | バナー・特集ページの更新、商品情報の追加・修正、SNS連携の確認 | 1〜2時間/週 |
| 月次 | アプリ・テーマの更新確認、売上データの分析、キャンペーン準備、改善の検討 | 2〜4時間/月 |
これを営業日ベース(月20日前後)で合計すると、更新頻度が標準的なストアで月間おおよそ10〜20時間が目安になります。販促に力を入れる月やトラブルが起きた月は、ここからさらに膨らみます。
月間工数を人件費に換算してみる
自社運用のコストは、次の式で見える化できます。
自社運用の月額コスト = 担当者の時給換算 × 月間工数
たとえば仮に時給換算2,500円の担当者が月15時間を運用に使うなら、2,500円×15時間=37,500円。これが毎月、目に見えない運用費として発生している計算です。大切なのは金額そのものではなく、自社の数字を当てはめて一度計算してみること。「タダだと思っていた自社運用に、実は外注と同じくらいのコストがかかっていた」というのは、よくある発見です。
見落とされがちな3つの隠れコスト
・学習時間: Shopifyの仕様やアプリの使い方を調べる時間。作業時間とは別に発生します
・属人化リスク: 担当者が1人だと、退職・異動でストアの運用が止まる。引き継ぎコストは金額に表れにくい分、深刻です
・トラブル時の機会損失: 決済エラーや表示崩れの原因調査に時間がかかると、その間の売上機会を失います。復旧が遅れるほど損失は膨らみます
運用で発生する業務の全体像は、Shopify運用保守の解説記事で詳しく紹介しています。
この章のまとめ:自社運用は無料ではなく「時給×月間工数」の人件費がかかります。まず自社の数字で月額コストを計算してみましょう。
外注した場合の費用 — 保守契約の相場と料金体系
次に、運用の一部または全部を外注した場合の保守費用です。調べても抽象的な金額しか出てこないことが多い部分なので、料金体系と相場、実際の料金例まで具体的に見ていきます。
保守・サポート契約の料金体系は3タイプ
| タイプ | 仕組み | 向いているケース |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 毎月定額で、決められた範囲の更新・修正・サポートを依頼できる | 毎月コンスタントに更新や修正が発生するストア |
| 時間チケット型 | 「月◯時間分」の作業枠を購入し、範囲内で自由に依頼する | 依頼内容が月によって変わるストア |
| スポット型 | 必要なときだけ都度見積りで依頼する | 更新頻度が低く、たまの改修だけ頼みたいストア |
相場については、公開されている費用解説では「構築会社にサイトの更新作業、軽微な修正、技術的なサポートを依頼する場合の保守・運用サポート費用は月額3万円〜10万円程度」とされています(出典: Shopifinder)。月額の幅が大きいのは、次に説明する「含まれる範囲」が会社によって違うためです。
料金差が生まれる3つの要因
・対応範囲: テキスト修正だけか、コーディングを伴う改修まで含むか
・月の作業時間: 月に何時間分の作業が含まれるか。ここが金額に一番効きます
・専門性: Shopify専門か、Web制作全般の一環か。専門性が高いほど同じ時間でできることが増えるため、時間単価だけでの比較は禁物です
実例: コマースラボの運用保守は月額49,500円
相場だけでは判断しづらいと思うので、私たちの料金も公開します。コマースラボの運用保守サービスは月額49,500円(税込)で、月5時間分の改修対応つき・契約期間の縛りなし。上の分類でいうと月額固定型と時間チケット型の中間で、テキスト修正から軽めのカスタマイズまで月5時間の枠内で柔軟に依頼いただけます。料金・サービス範囲の詳細は運用・保守サービスのページをご覧ください。
なお、更新や修正といった保守にとどまらず、商品登録や販促企画など販売業務まで任せる「運用代行」の相場と選び方は、Shopify運用代行の費用相場の記事で詳しく解説しています。
この章のまとめ:保守契約は月額固定・時間チケット・スポットの3タイプ。公表相場は月額3万〜10万円程度で、金額差の正体は「対応範囲と作業時間」です。
自社運用vs外注 費用シミュレーション比較
ここまでの材料を並べて、「結局どちらが安いのか」に答えます。体制別に、毎月の総コストの計算式を比較してみましょう。
| 体制 | 月額総コストの式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自社運用(他業務と兼任) | 本体費用+時給換算×月10〜20時間 | 金額は最小になりやすいが、担当者の負荷と属人化が課題 |
| 自社運用(専任担当) | 本体費用+専任1人分の人件費 | スピードと蓄積は最強。ただし人件費は保守外注より大きくなるのが普通 |
| 外注(保守契約) | 本体費用+月額3万〜10万円程度(相場) | 専門性と安定性を確保。実例: コマースラボは月額49,500円 |
| 併用(自社+部分外注) | 本体費用+減らした社内工数×時給+外注費 | 日常業務は自社、技術対応だけ外注。バランス型 |
単純な金額比較なら、兼任の自社運用が一番安く見えます。ただし、「担当者の時給換算×月間工数」が保守費用を超えるあたりから、外注のほうが割安になっていきます。先ほどの例(時給換算2,500円×月15時間=37,500円)なら、公表相場の下限である月3万円台の保守契約とほぼ同水準。ここに学習時間・属人化・トラブル時の機会損失という隠れコストを足すと、見かけの金額差はさらに縮まります。
逆に、工数が小さいストアなら自社運用の優位は揺らぎません。金額だけでは決められないからこそ、次の章で判断基準を整理します。
この章のまとめ:分岐点は「時給×工数が保守費を超えるか」。隠れコストまで含めると、工数の多いストアほど外注が有利になります。
自社運用と外注、どちらを選ぶべきか(判断基準)
私たちは運用保守を提供する側ですが、正直に言うと、すべてのストアに外注が必要だとは思っていません。判断の軸は「かけた費用を売上改善で回収できるか」という費用対効果です。次のチェックリストで自社の状況を確認してみてください。
自社運用で十分なケース
・商品数が少なく、サイトの更新頻度が低い
・社内にWebやECの経験がある担当者がいる
・テーマのカスタマイズやコード修正がほぼ発生しない
・EC以外の本業を圧迫するほどの工数になっていない
外注を検討したいケース
・運用工数が月10時間を超え、担当者の本業を圧迫している
・コード修正やアプリ連携など、社内で対応できない技術要件がある
・担当者が1人しかおらず、属人化が経営リスクになっている
・「改善したいことリスト」が溜まる一方で、手が回っていない
ポイントは、外注費を「削るべきコスト」ではなく「売上改善への投資として回収できるか」で見ることです。たとえば保守費用を払っても、空いた工数で本業が進み、改修で売上が費用以上に伸びるなら投資として成立します。逆に、更新も改善もほとんど発生しないストアが「なんとなく安心だから」で保守契約するのは、費用対効果に合いません。その場合は次章の効率化から始めましょう。
この章のまとめ:軸は費用対効果。工数・技術要件・属人化のいずれかが限界なら外注を、どれも問題なければ自社運用の継続で十分です。
Shopify運用の費用を抑える3つの方法
自社運用でも外注でも、費用そのものを下げる打ち手はあります。運用保守の現場で実際に提案している施策から、効果の大きい3つを紹介します。
1. Shopify Flowで定型作業を自動化する
Shopify公式の自動化ツール「Shopify Flow」を使うと、タグ付け・在庫アラート・注文の振り分けといった定型作業を無料で自動化できます。毎日の手作業が数分ずつ減るだけでも、月間では大きな工数削減に。設定方法と活用例はShopify Flowの解説記事で詳しく紹介しています。
2. アプリを棚卸しする
運用が長くなったストアほど、「入れたけれど使っていないアプリ」「機能が重複しているアプリ」が残りがちです。半年に一度、全アプリの利用状況を見直して不要なものを解約するだけで、月数千円単位の固定費が浮くことは珍しくありません。アプリを減らすとサイトの表示速度が改善することも多く、一石二鳥の施策です。
3. 全部外注ではなく「部分外注」にする
外注は全部任せるか自社で全部やるかの二択ではありません。受注対応や商品登録など日常業務は自社で回し、技術的な保守・改修だけを外注する形なら、費用を抑えながら苦手分野だけプロに任せられます。先ほどの月額固定型・時間チケット型の保守契約は、まさにこの部分外注に向いた形です。
この章のまとめ:自動化で工数を減らし、アプリ整理で固定費を減らし、外注は部分外注から。この順番で見直すと無理なく費用を抑えられます。
コマースラボの運用・保守サービス
最後に、私たちコマースラボの運用・保守サービスをご紹介します。
コマースラボは、構築40社以上・運用保守20サイト以上の実績をもつShopify専門の支援会社です。運用保守サービスは月額49,500円(税込)・月5時間分の改修対応つき・契約期間の縛りなしでご利用いただけます。
特徴は、構築から運用まで一気通貫で対応していること。運用の現場を20サイト以上見ているからこそ、「直したら終わり」ではなく、費用対効果まで考えた改善のご提案ができます。他社で構築されたストアの運用引き継ぎにも対応していますので、「今の運用体制のままでいいのか相談したい」という段階でもお気軽にどうぞ。
この章のまとめ:コマースラボの運用保守は月額49,500円・月5時間改修つき・縛りなし。構築から運用まで一気通貫で伴走します。
まとめ: 運用費用は「3層」で見通せる
この記事のポイントを振り返ります。
この記事のまとめ
・運用費用は「①本体費用 ②人的コスト ③スポット費用」の3層で整理する
・本体費用はプラン料金+アプリ代+売上連動の手数料。最新価格は公式サイトで確認
・自社運用は無料ではなく「時給×月間工数」の人件費がかかる
・外注の保守費用の公表相場は月額3万〜10万円程度(出典: Shopifinder)。実例: コマースラボは月額49,500円
・分岐点は「時給×工数が保守費を超えるか」+属人化などの隠れコスト
・自動化・アプリ棚卸し・部分外注の順で費用は抑えられる
次のアクションとしておすすめなのは、まず「時給換算×月間工数」で自社運用のコストを一度計算してみること。そのうえで外注の見積りと並べれば、感覚ではなく数字で体制を判断できるようになります。
よくある質問(FAQ)
Q. 運用は自社でやるので、保守だけの契約はできますか?
A. はい、可能です。コマースラボの運用保守サービスは、受注対応などの日常運用は自社で行い、技術的な保守・改修だけを任せる「部分外注」の形でご利用いただけます。保守費用を抑えたい方には、この形が一番おすすめです。
Q. Shopify運用の費用は、最低いくら見ておけばいいですか?
A. 自社運用の場合、Shopify本体の費用(ベーシックプランで月額4,850円・2026年7月時点)+アプリ代+売上連動の決済手数料に加えて、担当者の人件費(時給×月間工数)がかかります。「プラン料金だけ」で予算を組むとまず不足します。人件費まで含めて見積もっておきましょう。
Q. 他社で構築したストアの運用も頼めますか?
A. はい、コマースラボでは他社構築ストアの運用引き継ぎに対応しています。現状のテーマやアプリ構成を確認したうえで、引き継ぎ後の運用プランをご提案します。
Q. 保守契約は途中で解約できますか?
A. コマースラボの運用保守は契約期間の縛りがないため、必要な期間だけご利用いただけます。他社の保守契約では最低契約期間が設定されている場合もあるため、契約前に解約条件を確認しておくと安心です。
Shopify運用の費用相談はコマースラボへ
「自社の場合、運用にいくらかかるのか知りたい」「今の保守費用が妥当か見てほしい」——そんなご相談も歓迎です。20サイト以上の運用保守の実務をもとに、自社運用・外注・併用のどれが合うかから一緒に考えます。無理な営業はしませんので、体制を検討中の段階でもお気軽にどうぞ。